マイ・スペース
「ストップ!」
「え?」
急な俺の声にカエデの言葉が止まる。
「悪かった、カエデ。お前の気持ちに気づかないで…」
「シュウくん…まさか分かってたの?」
カエデがとても驚いた顔をしている。こんな表情見るの初めてだ。
「おう。今わかった。カエデから言いにくいよな」
「いや、そんなことはないけど」
「いや、俺から言う。カエデ、たいして持ってないけど、できる限り貸す」
俺はそう言って、冷蔵庫を開けて開封済みのチョコ菓子をだした。
「貸す?」
カエデはわからないという顔をしている。
チョコ菓子のパッケージの中身は俺の貯金通帳だ。