マイ・スペース
同じキャンパスで勉強しているはずなのに、カエデとは滅多に学校で会わない。
会っても、「お疲れ」とお互い言うだけで、それきり。
家ではあんなに寄り添って、話しているのに。
カエデと初めて会ったのは、入学初日のオリエンテーションだった。
女子が固まっている中に、カエデもいた。
二十人しかいない女子の中で、一番好みの女だった。
小さくて、細くて、厚すぎない化粧に好感がもてた。
側を通るとほんのり甘い香水のにおいがして、気がついた時には声をかけていた。