マイ・スペース
「今のってカエデの元カレ?」
「そう。あたしが来たらここにいてさ。泣かれちゃったよ」
「ピュアそうだもんね、彼」
「ピュアでもどーでもいいけどさぁ…もう泣くのはやめてほしいよ。あたしが泣かしてるみたいだし」
「あははは」
シュッとガスライターのすがすがしい音とともに、レナの煙草に火がつく。
そういえばタカの話を聞いている間、一本も吸ってなかった。
別にタカの話に聞き入っていたわけじゃない。タカの話を通じてカエデのことを考えていたからだ。