マイ・スペース
彼は黙って私にキスをした。
悲しいことに、初めて彼に愛されていたと感じるキスだった。
別れようという言葉は必要なかった。私たちは一緒にいなくては意味がない。
遠距離恋愛をしているカップルみたいに、同じ空を眺めて「いつでも繋がっている」という言葉は通用しない。
そのあと、私たちは何事もなかったように過ごした。
以前と変わらず、江戸川で夕日が沈むのを見たり、最新の映画を見に行ったり…何も変わらなかった。
ただ、この時間が終わると思うのが怖かった。