マイ・スペース
「俺の居場所はカエデの隣だった気がする」
彼が私のことを見ているのは分かった。私はむくっと起きて、私を見ている彼を見た。
「私も。ハヤテと見たものはどれもキラキラしてた。私の居場所もハヤテの隣だったよ」
泣くかと思ったけど、意外なことに笑うことができた。ハヤテも笑った。
帰り道、ハヤテがこぐ自転車の後ろに乗りながら、空を見ていた。
私もハヤテも、同じ空の下にいるのに、少し離れただけで終わりになってしまうのか。
そう思うと馬鹿らしいけど、私たちはそうなるべきなんだと思えた。
居心地の良い場所を離れて、どうかわるか冒険するべきなんだ、と。
私を駅まで送り届けると、ハヤテは私の頭をぽんぽんと撫でた。