【花集】恋の打ち上げ花火
「マキ、ウォータースライダーイキマショウ」

休憩に水から上がってきたジウさんが言った。

「アッチニ、オオキナウォータースライダーアルソウデス。ミンナデイキマショウ」

「え、わたしはいいよ。三人で行って来て」

「「駄目だよぉ~、みんなで行かなきゃ楽しくないよぉ~」」

半ば強引に双子に手を引かれ、ジウさんに背中を押され、わたしは渋々ウォータースライダーにたどり着く。

(ヤダ、なにこの大きさ)

わたしは、目の前にそびえ立つ巨大ウォータースライダーに立ちすくんだ。

「ダイジョウブ。マキハオレガマモリマス」

って、どういう意味ですか?

ホレホレと、双子を列に並ばせて、ジウさんはわたしと向き合った。

「マキハオレトコッチネ」

そう声をかけると、わたしの手を引いて、少し離れた列に並んだ。

「ジウさん、あっちの列とどう違うの?」

わたしは不思議に思って聞いてみる。

「コッチハラブコースターデス♪」

「えぇ~っっ!」

わたしは、訳がわからず、ラブという言葉に反応して叫んだ。

「マキハデートリポートカクノデショウ? ナラ、ラブコースターノラナイト」

「で、でもぉ~」

「ダイジョウブ、オレガイッショ、コワクナイ」

「って、そういう意味じゃないんですけどぉ~」

「マキ、イガイトコワガリ、カワイイネ」

とジウさんは、また不敵に笑った。
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