【花集】恋の打ち上げ花火
「「レッツゴーお弁当!」」

双子がジウさんを真似てそう言って、わたし達はお弁当を預けてあるコインロッカーへと急いだ。

「えっと、確か、向こうに広場があるってパンフに書いてありましたよ」

わたしは、園内案内図を眺めながら、気の向く方角を指差した。

「マキ、ホウコウオンチ」

横から、ジウさんが地図を覗き込んで、わたしと反対の方角を指差した。

(やだ……顔、近いよ……)

ジウさんの指差した方向へ、双子がドンドン走っていく。

「あ、タク、ソウ、そんなに先に行くと迷子に……」

「タク、ト、ソウハダイジョウブ。マイゴハキットマキノホウ」

そう言って、ジウさんが優しく笑って、わたしの手をとった。

(え……なに……)

「マキトオレ、デートデショ」

そう言ったジウさんの手には、少しだけ力が込められた。

(え……やだ……わたし……)

もう、何がなんだかわからない。

桃花ちゃん、順ちゃん、ヘルプミー!

やっぱりわたし先手打たれて、冷静な判断を見失いつつあります。
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