【花集】恋の打ち上げ花火
「あ……こっちはどうかな、ジウさんにって、キムチお握り作ってみたんです」

わたしは、ゴマを少しまぶして違いをつけたお握りをつまみ上げ、別に用意してきた海苔を巻いてジウさんに渡した。

「ライスボール、キムチアジ、オイシイ……ア、タク、ソウ、オレニモタコウィンナー」

ジウさんの視線の先を見ると、双子が先を争ってタコウィンナーを完食しようとしているところだった。

ジウさんは、わたしの手からフォークを奪うと、タコウィンナー目がけて突き刺した。

「「ああぁ~、最後の一個、ジウがとったぁ~」」

双子の絶叫が広場に響く。

わたしは、両手で顔を覆った。

(……もう……恥ずかしいじゃない……)

「エネルギーハゴハンデショ」

ジウさんは、そんな事を言いながら、勝ち取ったウィンナーを口に入れた。

「マシッヌン、ウマイ」

「なんだ、ジウさん、タコウィンナー好きなんだ」

「タコウィンナーウマイ、ケド、オレタコモットスキ」

「タコが好きなんだ」

そんな取りとめもない話をしながら、お弁当を食べた。
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