【花集】恋の打ち上げ花火
「マキモコンド、オレタチノシアイ、ミニキテ」

「え?」

「オレ、ダイガクデモラグビーブ」

「そ、そうなんだぁ」

(こ、これって、デートのお誘いかな?)

「サァテ、ネルカ」

ジウさんが大きく伸びをした。

「寝る?」

「ヨルノハナビモミルンデショ? コドモハヒルネシナイトネ。タク、ソウ、ネルゾ」

ジウさんはスイカを頬張り、腹一杯で寝転んでいる双子を側に呼び寄せた。

わたしは、持ってきた濡れタオルで、双子の真っ赤な口の周りを綺麗にふいてやった。

そのまま、そのタオルで双子のおでこに溜まった汗を拭いとる。

「ほら、プールバック枕にして、少し寝なさい。夜の花火も見たいでしょ」

「「花火! 花火も見て帰るの?」」

「あんた達が、起きてられたらね」

花火が上がるのは、夜の8時。

こんなにぐったり遊びまわった、この双子達が、その時間まで意識を保っていられるだろうか。

(この後も、遊園地でしょ……)

生意気だけど、まだ小さい、我が弟達の姿をじっくりと眺めてみる。

(あ、もう寝ちゃう……)

双子はあっという間に眠りに落ちていった。
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