【花集】恋の打ち上げ花火
それから、夕暮れまで、休みなくアトラクションを回った。

あと残すは、お化け屋敷と花火。

ま、時間的に花火はまだだけど……

この遊園地には観覧車はない。そのことに少しだけ安堵していた。

だって、順ちゃんの『観覧車でキス』の話を聞いていたから。

わたしも、そういうシチュエーションに陥った場合、避けられないのかな、とちょっと怖かった。

でも、わたしにとって、お化け屋敷は関門中の関門だ。

「「姉ちゃんは、お化けが怖いんだよ」」

双子があっさり、バラしてしまう。わたしの最大の弱点を。

「マキ、ダイジョブ、オレガツイテル」

って、ジウさん、ウォータースライダーの時もそんなこと言ってませんでしたか?

「いえ、わたしは今回だけは遠慮させて頂きます。ジウさん、お一人でどうぞ」

「シカタナイ」

そんな言葉が聞こえてきて、わたしの身体が宙に浮く。

(え、ええぇ~)

わたしはそのまま抱き上げられて、ジウさんと共に双子の後を追っていた。

「い、嫌ぁ~、絶対、嫌です、い、いやぁぁ……」

(嗚呼、また涙が……)
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