【花集】恋の打ち上げ花火
――ヒュュゥ~、パ、パン
「マキ? ナイテル?」
いつの間にか、わたしの頬を涙が伝っていた。
わたしは慌てて、涙を拭うと、首を横に振る。
「ジウさん……好き……」
やっとのことで、口にした想い。
「マキ、ナ ド ネ ガ ジョ ア」
ジウさんの口が異国の言葉を口にした。
「ジウさん、何て言ったの?」
「マキ……」
――ヒュュゥ~、パ、パン、パパ、パ、パン
――ヒュュゥ~、パ、パン、パパ、パ、パン
スターマインの連続花火が、勢い良く夜空に飛び出した。
その音にかき消されて、ジウさんの言葉はわたしまで届かない。
その代わり、暖かい口づけが降ってきた。
わたしは、あんまり突然のことで、目を大きく見開いてジウさんの顔を見つめていた。
「マキ、メ、トジテ」
「でも……花火が……」
「ハナビハ、ココロデミテクダサイ」
ジウさんの言葉に静かに目を閉じた。