【花集】恋の打ち上げ花火
開放
デート当日、夏休みのある日、豊海園隣接の駅で待ち合わせたわたし達は、ジウさんの来るのを待っていた。

待ち合わせは9時。

双子達は、既にハイテンション。

わたしは朝からお弁当作りで、もうぐったり。

でも、レストランでこの二人を大人しく座らせておく自信もなく、眠い目をこすりこすりお結びを握った。

夏なので、たっぷり保冷財を入れ込んで、保冷バックに詰めた。

だから余計に重いのです。荷物が肩に食い込みます。



嗚呼……ウデガチギレソウデス……



「オマタセ、ゴメン。ニモツオモソウ」

そんな片言の日本語が聞こえたと思ったら、わたしの肩がすぅっと軽くなった。

「「あ、ジウ!」」

双子が、彼を見つけぶら下がる。

「こらこら、駄目よ、琢磨、走磨、ジウさん疲れちゃうよ」

「オレ、チカラモチ、ダイジョウブ、シンパイナイ。マキモブラサガルカ?」

デッカマッチョのジウさんは、前歯の一本抜けた真っ白い歯を見せて、不敵に笑った。

(やだ、可愛い……)

わたしの心が、クスッと笑う。
< 4 / 31 >

この作品をシェア

pagetop