【花集】恋の打ち上げ花火
「もう、ジウさんたら、冗談はそのくらいにして、行きましょう!」
わたしはなんだか恥ずかしくて、豊海園入り口へと先頭切って歩き出した。
「ラジャー、タイチョウ、オトモシマス」
そんな呟きが聞こえて、双子をぶら下げたジウさんが、わたしの横に進み出た。
「マキ、オモニミタイネ」
「オモニ?」
「ソウ、オカアサン」
「やだ、ジウさんてば、あたしまだ十七ですよ。褒め言葉とは受け取れません」
わたしはちょっとむくれて、頬を膨らませて見せた。
「オレ、ヒトヲホメタリシナイ。ゼンブホントノキモチ」
デッカマッチョのジウさんは、前歯の一本抜けた真っ白い歯を見せて、やっぱり不敵に笑った。
コインロッカーに荷物を預け、男女別の更衣室に向かう。
「オマエラハコッチ!」
あたしに付いて、女子更衣室へ入ろうとした双子の襟首を掴んで、ジウさんが言った。
「でも、着替えが……」
「コイツラモウオオキイデショ、ヒトリデデキル。アマヤカスノヨクナイ。ナ」
「「ジウと行く!」」
すんなり、ジウさんに従って双子の姿は消えていった。
わたしは一人残されて、なんだか妙な気分。
いつもは、双子のお守りに振り回されて、自分を構う余裕なんてなかったから。
わたしはなんだか恥ずかしくて、豊海園入り口へと先頭切って歩き出した。
「ラジャー、タイチョウ、オトモシマス」
そんな呟きが聞こえて、双子をぶら下げたジウさんが、わたしの横に進み出た。
「マキ、オモニミタイネ」
「オモニ?」
「ソウ、オカアサン」
「やだ、ジウさんてば、あたしまだ十七ですよ。褒め言葉とは受け取れません」
わたしはちょっとむくれて、頬を膨らませて見せた。
「オレ、ヒトヲホメタリシナイ。ゼンブホントノキモチ」
デッカマッチョのジウさんは、前歯の一本抜けた真っ白い歯を見せて、やっぱり不敵に笑った。
コインロッカーに荷物を預け、男女別の更衣室に向かう。
「オマエラハコッチ!」
あたしに付いて、女子更衣室へ入ろうとした双子の襟首を掴んで、ジウさんが言った。
「でも、着替えが……」
「コイツラモウオオキイデショ、ヒトリデデキル。アマヤカスノヨクナイ。ナ」
「「ジウと行く!」」
すんなり、ジウさんに従って双子の姿は消えていった。
わたしは一人残されて、なんだか妙な気分。
いつもは、双子のお守りに振り回されて、自分を構う余裕なんてなかったから。