【花集】恋の打ち上げ花火
「わたしも着替えよう!」

すっかり、寛いだ気分になっていた。

オニューの水着に身を包み、上から白いタオル地のパーカーを羽織った。

長い髪は、帽子を被りやすいように耳の横でまとめて、タオルとゴーグルと……あ、日焼け止め……

わたしは、色白ですぐに肌が赤くなってしまう。双子も同じだ。

(プールサイドで塗ってやらないと……)

『マキ、オモニミタイネ』

さっきのジウさんの言葉が心に引っ掛かる。

わたしだって、好きで双子のお守りをしてる訳じゃない。

でも、わたしの母は高齢で、やっとのことで双子を産んだから、わたしがしっかりしなくちゃ駄目なんです。

(あ、早く行かないと、みんな待ってるかな……)

プールサイドに出ると、そこは別世界だった。

(なに? この広さ。なんでこんなにいっぱいプールが……双子はどこ?)

と、思ったのは一瞬で、あたしの視線はデッカイマッチョにぶら下がる双子の姿をすぐさま捉えた。

(あ、ジウさんと一緒だと目立っていいな)

真っ赤な水泳帽を被ったジウさんは、さながら太いマッチ棒のようで、何せ、背も異様に高いんで、遠くから見ても、ほかと頭二つ分は大きく目立つ。

双子があたしを見つけて手を振ってきた。
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