【花集】恋の打ち上げ花火
「「ねえちゃ~ん、こっち、こっち」」

その声に呼ばれて、三人に近づいた。

「ジウさん、その真っ赤な帽子、目立つ!」

わたしは、しっかりとその帽子を指差した。

「アタリマエ、ツキヒトニカリマシタ」

あの遊園地の日の月人くんを思い出した。

遊園地=赤。

「あ、迷子ボウシね!」

「マキ、ソレジョーク?」

「やだ、ジウさんたら、日本語良くわかるじゃない!」

わたしは、思いっきり平手打ちで、ジウさんの腕を叩いた。

「マキ、チカラモチ、イタイ。ハヤク、マキモミズハイル。アッチノナガレルプールヘイコウ」

手首をガッシリと掴まれて、わたしは少し戸惑った。

「上着脱がないと。それに、双子に日焼け止めを塗らないと。二人とも肌が生まれつき弱いの」

「シカタナイ」

ジウさんは、双子をぶら下げたまま水から上がってきた。
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