【花集】恋の打ち上げ花火
それからは、水しぶきの連続だった。

双子を背中に乗せたジウさんは、潜水をしたり、浮かんだり。

双子を水に放り投げたり。

どこから出してきたのか、赤い小石を手に、双子を水に沈めてそれを奪い合ったり。

すっかり、水にもジウさんにも慣れた双子は、いつの間にかジウさんの言う事を聞く、とっても良い子になっていた。

(ジウさんて、ほんとに子供が好きなんだなぁ)

傍から見ても、仲の良い親子にしか見えなかった。

あ、ジウさんが老けて見えるという意味じゃありませんよ。

仲睦まじいという意味です。

(やだ、そしたら、わたしとジウさんが、パパとママってこと?)

なんだか急に恥ずかしくなる。

周りにはどう見えてるのか、気になってしまう。
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