drop×kiss



小さい頃に両親に捨てられて、唯一の家族の弟と2人暮らし。



お金もほとんどないから、家賃2万円のボロアパートで暮らしている。




親の顔なんて、ろくに覚えていない。




ある日、お父さんに「お母さんと、お父さんは出かけてくるから。すぐに帰ってくるから。」



そうあたしに言い残して、そのままどこかに行ってしまった。




祖母の家に預けられて、ずっと暮らしていた。



たった一人の弟と。



それでも、小さかったあたしは、最後のお父さんの言葉、「すぐに帰ってくるから。」という言葉に期待をしていた。



でも、何日たっても、何週間たっても、何カ月たっても、何年たっても、あの二人が帰ってくる事はなかった。




小さいあたしと、弟を残してー…。








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