RUN&GUN
あっさりと納得し、藍はこてんと与一の胸に頭を付けた。
が、すぐにがばっと身を起こし、与一の懐に手を突っ込むと、入れていたエンフィールドを抜き取った。

「硬いじゃない。ただでさえ、よいっちゃんの身体は柔らかくないのに、こんなものまで忍ばされたら・・・・・・」

「あ! そうだ。俺も、怪しい奴見つけましたよ」

藍の行動で、下駄屋の裏での出来事を思い出した。
与一は、下駄屋の裏で、自分と同じように店の様子を窺っていた男のことを話した。

「で、ぶつかって、身体を探ってみたわけです」

殺し屋ならば、必ず身に何か帯びているはず。
ぶつかることによって、与一は相手の身体を調べたのだ。

「何か、わかった?」

藍の言葉に、与一は首を振った。
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