RUN&GUN
「!!」
男の足元にしゃがんでいた与一は、振り向きざまに、男の足から抜いた一本の苦無で、飛んできたものを打ち払った。
ガキン、と音がし、足元に弾き落とされたのは、同じような苦無。
「ほぅ。なかなかやりおる」
いつの間にそこにいたのか、前方の闇から、編み笠を被った男が現れた。
---野次馬の中にいた奴だな---
中腰のまま、与一は男を睨んだ。
藍が、こそこそと与一に擦り寄り、背後に隠れる。
「ふ。恋人同士で、追いはぎか?」
男が、馬鹿にしたように言った。
藍を、見た目通りの、無力な女子と見てのことだろう。
藍は、己の力を最大限に利用する。
秘められた殺しの腕はもちろん、見てくれも含まれる。
こういう場面で与一の後ろに隠れて震えていれば、その効力は絶大だ。
誰もが藍など、戦力外だと認識し、油断するのだ。
男の足元にしゃがんでいた与一は、振り向きざまに、男の足から抜いた一本の苦無で、飛んできたものを打ち払った。
ガキン、と音がし、足元に弾き落とされたのは、同じような苦無。
「ほぅ。なかなかやりおる」
いつの間にそこにいたのか、前方の闇から、編み笠を被った男が現れた。
---野次馬の中にいた奴だな---
中腰のまま、与一は男を睨んだ。
藍が、こそこそと与一に擦り寄り、背後に隠れる。
「ふ。恋人同士で、追いはぎか?」
男が、馬鹿にしたように言った。
藍を、見た目通りの、無力な女子と見てのことだろう。
藍は、己の力を最大限に利用する。
秘められた殺しの腕はもちろん、見てくれも含まれる。
こういう場面で与一の後ろに隠れて震えていれば、その効力は絶大だ。
誰もが藍など、戦力外だと認識し、油断するのだ。