RUN&GUN
「そっちの小娘はともかく、お前はなかなか出来るようだな。今も避けずにわざわざ弾いたのは、下手に避けてその小娘に被害が及ぶのを防ぐためだろう」

「・・・・・・」

「うふっ。よいっちゃん、嬉しいわぁ」

背後から、藍が小声で茶々を入れる。
気が抜けそうになるのを堪え、与一は目の前の男を睨み続けた。

「今の身のこなしといい、お前、ただの追いはぎじゃないな」

与一に言いながら、男がゆっくりと近づく。
男の手は懐の中にあり、次の行動が読みにくい。

「あんたこそ、こんな夜に何やってんだよ。市の商人が、苦無なんて持ってるわけねーだろ」
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