RUN&GUN
与一は身体を捻り、右肘を男の喉笛に打ち込んだ。

「がっ!」

血を吐き、男が倒れる。
編み笠が吹っ飛んだ男の顔に、与一は目を見張った。

「こいつは・・・・・・」

「知ってるの?」

藍が横に来、男を観察しながら言った。

「下駄屋の主人と、店の奥から出てきた陰間です」

うげっと藍が、顔をしかめる。

「こいつ、なかなか手強いです。あのときは、陰間のニオイしかしなかった・・・・・・。いや・・・・・・」

確かあのとき、いくつかの気になる‘気’を感じた。
そのうちの一つは、こいつだったのかもしれない。
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