RUN&GUN
「気づけなかった、俺の過ちか。今も、下手うちました」
息を吐き、背中寄りの右脇腹を押さえる。
着物が黒いためわからないが、離した手には、べっとりと血がついていた。
「倒れる寸前に、苦無で突いたのね。甘く見たわね。奴が苦無を持っているのは、わかってたことじゃない」
「鎖分銅は両手が塞がるから、他の攻撃はできないはずだったんですがね。まさか咄嗟に、苦無を出すとは」
藍が、ざっと与一の傷を確かめ、ぽんと軽く頭を叩いた。
「ま、よいっちゃんも咄嗟に腰を捻ったから、脇腹を裂いただけで済んだんじゃない。苦無に気づかなかったら、今頃苦無は、身体の中よ」
与一の手を取り、藍は手の平についた血を、ぺろりと舐めた。
息を吐き、背中寄りの右脇腹を押さえる。
着物が黒いためわからないが、離した手には、べっとりと血がついていた。
「倒れる寸前に、苦無で突いたのね。甘く見たわね。奴が苦無を持っているのは、わかってたことじゃない」
「鎖分銅は両手が塞がるから、他の攻撃はできないはずだったんですがね。まさか咄嗟に、苦無を出すとは」
藍が、ざっと与一の傷を確かめ、ぽんと軽く頭を叩いた。
「ま、よいっちゃんも咄嗟に腰を捻ったから、脇腹を裂いただけで済んだんじゃない。苦無に気づかなかったら、今頃苦無は、身体の中よ」
与一の手を取り、藍は手の平についた血を、ぺろりと舐めた。