RUN&GUN
「まぁね。でもほら、よいっちゃんは、辰巳とお近づきになれたわけだし、辰巳のほうは、よいっちゃんのほうが、何かと都合が良いわ。ああ、でも」

くるりと向きを変え、藍は与一の鼻先に、指を突き出した。

「間違っても、一線は越えないでね」

「・・・・・・やめてくださいよ。奴とやるぐらいなら、危険を冒しても、お嬢さんを襲うほうが、まだマシです」

「危険って何よ」

「お嬢さんを襲って、無事であるわけないじゃないですか。死を覚悟で臨まないと」

藍は悪戯っぽく口角を上げ、上目遣いで与一を見た。

「さぁ、どうかしら。よいっちゃんなら、許すかもよ?」

「恐ろしすぎて、試す気にもなりませんがね」
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