RUN&GUN
そのとき、いきなり鋭い殺気を感じ、与一は咄嗟に、横に立つ辰巳の足を払った。

バランスを崩した辰巳が倒れる。
辰巳が倒れると同時に、一瞬前まで彼の頭があった柱に、何かが刺さった。

攻撃は、与一にも及ぶ。
先の辰巳を襲ったものが飛んできた方向に目をやった与一は、再びそこから、何かが飛んでくるのに気づいた。

「ちっ」

思い切り床を蹴って、飛び退る。
が、脇腹に激痛が走り、着地と同時に、床に倒れ込む。

「おい、兄さん。大丈夫か?」

辰巳が駆け寄ってくるのを、与一は手で制した。
二人が固まっていれば、狙いをつけるのが容易くなる。

的はどうやら、庭の松の木に潜んでいるようだ。
辰巳目掛けて、次々と攻撃が仕掛けられる。
< 152 / 407 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop