RUN&GUN
「そいじゃあ、辰巳さん。またな。近いうちに来るよ」

送りに出た辰巳に笑顔で手を振り、与一は三郎太と連れだって、下駄屋を後にした。
しばらく歩いてから、三郎太が、与一をしげしげと眺めながら、口を開く。

「なぁ、お前は今、何をやってるんだ?」

「何って・・・・・・。前に言ったろ。引き取ってくれた人に、仕えてるんだよ」

いきなりの問いに、与一は微妙に答えになってない答えを返した。
三郎太は、真剣な顔で与一に向き直った。

「だから、その引き取ってくれた人って、何やってる人なんだよ」

与一も足を止めて、三郎太を見た。

「どうしたんだよ。いきなり」

「お前、何かやばいことやってるんじゃないのか」

与一は内心驚いた。
が、動揺を表には出さずに、少しだけ首を傾げて見せた。

いつもの三郎太なら、笑い飛ばせば簡単に話を打ち切れるだろう。
だが、今の彼は、いつになく思い詰めた表情で、与一を見ている。
簡単には、あしらえそうもない。
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