RUN&GUN
---あんまり身体を捻ったら駄目だな---
縫ったおかげで、そう簡単には裂けないが、引っ張られる分痛みはある。
「ふっ。不意をついたようだが、残念だったな。さっきの続きだ。おかしな真似してみろ。今度こそ小娘の命はないぞ」
「・・・・・・」
どうしたもんか、と与一は考えた。
藍のことではない。
いまだに藍が動かないところを見ると、何か考えがあるのだろうか。
「きええぇぇっ」
いきなり奇声を発しながら、男が仕掛けてきた。
我に返った与一は、後ろに飛び退る。
が、男が手に先程とは違う何かを握っているのに気づいた与一は、咄嗟に身を沈めて地面を転がった。
一瞬前まで自分の身体のあったところの空気を、刃が斬る。
男はそのまま、抜いた刀を与一の上に振り下ろした。
刃を避け、後ろではなく男のほうへ転がった与一は、素早く男の足を払った。
「うおっ」
男の身体が倒れる。
与一は腰に巻いていた紐を投げ、男の首に巻き付けると、そのまま身体を反転して男に馬乗りになり、紐の両端を握った拳を地面に押しつけた。
ぴんと紐が張り、男の首に食い込む。
縫ったおかげで、そう簡単には裂けないが、引っ張られる分痛みはある。
「ふっ。不意をついたようだが、残念だったな。さっきの続きだ。おかしな真似してみろ。今度こそ小娘の命はないぞ」
「・・・・・・」
どうしたもんか、と与一は考えた。
藍のことではない。
いまだに藍が動かないところを見ると、何か考えがあるのだろうか。
「きええぇぇっ」
いきなり奇声を発しながら、男が仕掛けてきた。
我に返った与一は、後ろに飛び退る。
が、男が手に先程とは違う何かを握っているのに気づいた与一は、咄嗟に身を沈めて地面を転がった。
一瞬前まで自分の身体のあったところの空気を、刃が斬る。
男はそのまま、抜いた刀を与一の上に振り下ろした。
刃を避け、後ろではなく男のほうへ転がった与一は、素早く男の足を払った。
「うおっ」
男の身体が倒れる。
与一は腰に巻いていた紐を投げ、男の首に巻き付けると、そのまま身体を反転して男に馬乗りになり、紐の両端を握った拳を地面に押しつけた。
ぴんと紐が張り、男の首に食い込む。