RUN&GUN
「その御珠って、月輪院様からの預かり物って言ってたわね。預かってるってことは、いつかは返すのよね?」
「まぁそうでしょうね。多分、お福さんがあそこでお寂しい暮らしをしておいでなのを不憫に思った月輪院様が、束の間お貸しくだされたのではないかしら」
ふーむ? と、藍は考えた。
「旦那をぎゃふんと言わせたいのなら、それこそお福さん自ら、月輪院様に泣きつけば、一発じゃなくて?」
何故わざわざ御珠を狙うのだろうと思い、藍は疑問を口にする。
お蓉も少し首を傾げた。
「そうですね。いや、多分それもお福さんの自尊心が許さないのだと思いますよ。それに、お福さんのご実家は、宮家とはいえ、傍流も傍流。月輪院様ですら、今の宮家からは結構遠い血筋なのに、そのまた遠縁ですもの。没落貴族の最たるものですよ。下駄屋の輿入れも、下駄屋の援助を受けるため。そうしないと、お家が、ね・・・・・・」
意味ありげに顔の横ですぼめた手をぱっと開いて見せ、お蓉は笑った。
藍はお蓉の話に、少々呆れる。
自尊心が強いわりに、友人を盗人にするのは、何とも思わないのだろうか。
「まぁそうでしょうね。多分、お福さんがあそこでお寂しい暮らしをしておいでなのを不憫に思った月輪院様が、束の間お貸しくだされたのではないかしら」
ふーむ? と、藍は考えた。
「旦那をぎゃふんと言わせたいのなら、それこそお福さん自ら、月輪院様に泣きつけば、一発じゃなくて?」
何故わざわざ御珠を狙うのだろうと思い、藍は疑問を口にする。
お蓉も少し首を傾げた。
「そうですね。いや、多分それもお福さんの自尊心が許さないのだと思いますよ。それに、お福さんのご実家は、宮家とはいえ、傍流も傍流。月輪院様ですら、今の宮家からは結構遠い血筋なのに、そのまた遠縁ですもの。没落貴族の最たるものですよ。下駄屋の輿入れも、下駄屋の援助を受けるため。そうしないと、お家が、ね・・・・・・」
意味ありげに顔の横ですぼめた手をぱっと開いて見せ、お蓉は笑った。
藍はお蓉の話に、少々呆れる。
自尊心が強いわりに、友人を盗人にするのは、何とも思わないのだろうか。