RUN&GUN
美味しそうにぽりぽりと漬け物と麦飯を頬張る藍を見ながら、ふと与一は、思い出したように口を開いた。

「そういえば、昨日の、から公の依頼は?」

先程から会話に出てくる‘から公’というのは、依頼人との橋渡し役である、鴉のことである。

連絡用の鳥といえば、鳩を思い浮かべるが、鳩では報酬である小判を運べない。
手紙と、それなりに重い小判を運べる、頭の良い鳥ということで、藍は鴉を使っているのだ。

しかもこの鴉は、道々野菜を持ってきたりする。
おそらくどこぞの店先か、畑から頂戴しているのだろうが、それについては深く考えず、‘お土産’として有り難く頂いている。
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