RUN&GUN
「ほら、よいっちゃん。取ってあげて」

藍に促され、与一は鴉の前に手を差し出す。
すると鴉は、素直に与一の手の平に、くわえていた袋を落とした。

じゃらり、という音と共に、ずしりと重い感触が落ちてくる。

与一は人差し指で、鴉の顎を撫でてやった。

「はい、ご褒美よぅ。から公、またよろしくねぇ」

自分の茶碗に残っていた麦飯と、ちょっとしたおかずを混ぜ、木の器に入れて差し出す藍に、鴉がくぁ、と鳴いて飛びつく。

「藍さん。ご飯はちゃんと食べなさいよ」

与一は巾着の口の紐を解き、中身をざっと確かめながら言った。

「心配しなくても、ちゃんと食べてるわよぅ」

窓際に置いた器に顔を突っ込む鴉を撫でながら、藍は笑って言った。
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