未来設計

3年1組

「はい。今から夏休みの宿題を配るぞ」
そう言って、担任のアツがプリント類を配りだした。

『アツ』というのはあだ名で本当は松村という。
体育の先生で何事も熱い熱血教師だから『アツ』

アツは3年生の私たちに次から次へと夏休みの宿題を渡す。
国語、数学、理科、社会、英語の各教科のまとめのドリル。

家庭科の裁縫の布。
美術のポスターをかく画用紙に感想文を書く原稿用紙。

そして。
最後に配られた1枚の紙が。
『私の未来設計』
という進路の紙だった。

「先生。これは何?」
生徒の質問にアツは答える。

「お前たちはもう中学3年生だから…もう少し将来のことをきちんと考えて欲しくてこの宿題を出した」

アツは言った…
中学を卒業した後、どんな高校にいくのか?
高校を卒業した後は就職するのか?
もし、就職するならどんな職業につきたいか?

また…進学したい人は大学、短大、専門学校、どこに進学し、卒業した後はどんな職業につきたいか?

「今のみんなの希望でいいから…書いてくれ」
アツはそう言った。


「先生。めんどくさいよ。勉強の邪魔だよ」

「めんどくさいなんて言うなよ。自分の未来設計なんだから、きちんと考えて書くこと。これも…特別活動の評価にいれるからな」

アツはそう言った。

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