イタズラ電話
  7年前のこと




「叶恵ちゃーーーん」

大声を出して

アタシを探してる。

「何よ?」

アタシがそう言って

庭の木の上から雅を見下ろした

そしたら

雅はいつも

アタシに言った。

「女の子は女の子らしく

してなくちゃダメだよぉ。

木から降りてきてぇ。」

雅の言うとおり

アタシは女らしく

生きて来たのに。

中学にあがると

同じクラスに

『紬』って

女の子が居た。

雅はソノ子が

気に入ったのか

いつも一緒にいた。


< 40 / 70 >

この作品をシェア

pagetop