遠くの空に。
第11章 離れていく距離
龍騎Side
********************
―― 4月。―――
かのんがいなくなってから、1年が過ぎていた。
この1年間。
時間があれば。皆に色々なかのんの話は聞いたりしたが、かのんの居場所はわからなかった。
かのんが残した置き手紙。
そこに書かれていた文1つ1つを、丁寧に読み返した。
『よし!ぜってぇーかのんを見つけ出してやるよ!この狭い世界でね。』
俺はかばんを持ち、実家へと向かった。