遠くの空に。
良いネックレス…か。
もし、かのんがどこかでTVを見ていたなら、気付いてほしいと思った。
まだ忘れてないことを。
これは、かのんがバレンタインにくれたストラップだから。
俺は、かのんが見てることを願って部屋をあとにした。
―― 6月。―――
俺の誕生日は、久しぶりに静かだった。
裕子家からは、パーティーを開こうと誘われてはいたけど、俺は久しぶりにゆっくりと1人で休みたいといい断っていた。