失礼最悪な幼馴染み
呼び名
途中少し迷ったがなんとか教室にたどり着いた。
「ほら、ちゃんと戻れたでしょ」
勝ち誇った顔で言うと、失礼最悪男は呆れ顔でため息を付き、教室に入っていった。
無視かよ。あたしがしたら文句言うくせに。
小さく舌打ちをしてその後を追い席に座る。
授業の準備をしながら「ねえ」と声をかけるが、聞こえているのか、はたまた無視しているのか返事は帰ってこない。
「ねえ、ねえってば」
しつこく声をかけてもピクリとも反応しない。
こいつ目開けながら寝てんのか?
フっとそんなことがよぎったがあり得ないだろうと頭を振る。
ガラガラと音をたてながら教室の扉が開き、後に続いて先生が入ってきた。
「よーし授業始めるぞー、教科書開けー、えーっと今日は30ページからーかな?」
先生の大きな声に従いみんなが一斉にパラパラと教科書をめくりだす。
失礼最悪男もパラパラ開き、目的のページにたどり着いたのか折り目をつけて、あたしにも見れるよう机の真ん中に置いた。
そのまま視線をあたしに向けることなく黒板に書かれた字を写しにかかった。