スノードロップ
仲良くなれたものの
素直になれない私は
“友達”の枠にいる
のが精一杯だった



間近で声が聞けて
彼の色々な表情を
見ることができる。

これ以上の幸せを望む
ことは贅沢だったり
するのかな…



昼食も終わり
遊んでくる!と言い
2人は屋上を後にした



「何か…ほとんどおかず
取られた気がする…」

機嫌が悪そうに愚痴を
こぼす 知。


「ホントそうだよ!
知ハンバーグ半分以上
取られてたしねー」


少し苦笑いで私が言う


「そういえばーあの2人
っていつも一緒だよね
仲良すぎだねー」


私はさりげなく周の
ことを聞いてみる


「まぁ~ねぇー。あの
2人幼なじみだしぃ」

屋上から見える
グランドの方を向いて
ゆっくり喋る由佳莉。


「小学校から一緒
らしいしねー」

続いて知が言う


「へぇー長い付き合い
なんだねー」



私が出会った時の
幼い頃の 周。

きっとあの頃からも
あの2人はこうやって
仲良く過ごして
いたんだね



「あっでも!3ヶ月位
尚人1人ぽっちに
されてたよねー」


思い出したかのように
話す 知。


「えっ?!どうして?」


興味深く聞き返す


「そういえばぁ~1年
の時そんな時期あった
よねぇ~~。池上さん
が周にはいたから
ねぇ~」


懐かしそうな表情で
知に続いて話す由佳莉


!?池上さん??


ー…誰だろう…ー


「いっ池上さんって?」


「ん?周の元カノぉ~」


軽々しい口調で
由佳莉が言う



……元…カノ…



「でもぉ~3ヶ月で
あっさり別れてた
けどねぇ~」


「そっそっかぁ!まぁ
年頃だし彼女の1人や
2人居て当たり前
だよねー!」



気持ちがバレないよう
必死で自分をつくって
話した



「いやぁーでもあれは
もしかしたらより戻す
ってのもあるかも!」

とグランドが見下ろせる
場所でボソッと
話す 知。


「うーん。ありえる
かもぉ~」

と知と並んでグランドを
見下ろしながら
つぶやく由佳莉



?何?!

おそるおそる2人の
側まで行きグランドが
見下ろせる場所へ
向う



屋上から見えるグランド
には3人の姿があった


尚人 周 そして…

池上さん―…
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