スノードロップ
「おーおーおぉー!!
あっついねぇ~
アイツらっ」


ちゃかすような口調で
ニヤけながら言う尚人


「…あの2人って
またやり直したり
するのかな?」


さりげなく尚人に
問いかける


「いやいや、ねーだろ
それはっ」

「どーして?」


「いやわかんねーけど
周が舞に振られて
っからな!だから周から
舞にいくことはまず
ねーだろなっ」



周が振られたんだ…―



意外……



「へっへぇー。でも見た
ところイイ感じだよね
あの2人」


「まぁーな。アイツ
やさしーかんなっ!
舞がほっとけねーん
だろな、たぶん」


「ほっとけない?」


「あんま詳しくは
しんねーけど、舞
周と別れてから男いた
けど浮気されて最近
別れたんだと」


「………。」


「んで!優しい
まこっちゃんは
泣いてる舞を
ほっとけねぇーってな
感じだろな!」


「でもそれって周は
まだ池上さんのこと
好きなんじゃない?」


「………かもなっ」


急に表情が暗くなる
尚人


―どうしたんだろう…


「ねぇ、希望」

「ん?」


「アイツのことそんな
気になる?」



ドキッ!!!



「えっ!?いやそうじゃ
なくてお互い好き同士
だったならやり直さ
ないのかなーって
思っただけっ」


バレた…かな…


必死でごまかして
みたけど…


「ふーん。」


「そっそーいう尚人はさ
彼女いないわけ?」


周の話題はやめようー

話しを切り替えて
尋ねた


「俺は今はいらない。
付き合ったり
別れたりさ
そんなのするより
友達でいた方が
いくねー?」


その尚人の言葉に
少し胸が痛んだ…


“友達”かぁ…


「何でそう思うの?
彼女っていう存在と
友達とはまた違う
んじゃないの?」


「違うよ、そりゃーね。
けど彼女になると
本当の別れがくる。
友達でいたらずっと
友達でいれる。
だからかなっ」


そう言う尚人は
どこか寂しげな表情を
浮かべながら遠くを
見つめていた


きっと尚人は本当は
すごく寂しがり屋で
傷つくのが怖いんだね


なんとなく尚人の
表情から
そう感じた…

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