スノードロップ
!!!!


???


「なんだろう…
あの白いの…」


僕が土手道で見つけた物

それは雨に
びしょ濡れになり
元気がなくなっていた
小さな小さな
白い花―…


「うわー小っせー花!
こんな所に
咲いてるんだぁ」


今までこの道を
通ってても
気付かない程小さくて
白い雪のような花が
ポツンと咲いていた。

「ねぇ。寒くない?」

シーン……


花に喋りかけたって
答える訳ないかっ

「てかかなり元気ないね。
君…びしょ濡れだし」


ザァーッ ザーザー!!

「うわっ!雨ひどく
なってきた!!
僕もぅ帰るね。
あっそうだコレ!」

バサッ


「じゃぁね。元気にね!」


そう言って
僕は家路に急いだ―


ザァーッザァーッ




んっんん?!

いい香りがする…
今誰か…

何か掛けてくれた?


ハンカチ…?


優しい人だなぁー
寒いのに
こんな雨の中
私を見つけてくれる
なんて…


でもあと少しで
春がくる。

それまで私は
負けないよ。


それにしても…
あの人はいつもここを
通るのかな…

このハンカチ…


また取りに来て
くれたらいいな…




私は早春に咲く
スノードロップの花

もうすぐ春だよって
みんなに
教えてあげるの


そんな私がー…


この日


人間の男の子に





恋をした…ー




ガチャン


「母さんただいまー」

「あら!!足泥だらけよー
周!」


「すごい雨だから
仕方ないじゃん!
タオルとってー」


「風邪ひかないように
先にお風呂入りなさい。
ご飯は後でよ!」


「はぁーい」


「あっそうだ!母さん。」

「なーに?」


「さっき、あの土手道でさ
小さい白い花
見つけたんだ!」

「あらそうなのー。
こんな寒いとき
なのにねー
今日の大雨で枯れ
ちゃうかもしれない
わねー…残念ね…」


「ううん!大丈夫!」

「ん?どうして?」

「だってあの花
元気なかったけど
小さいくせに強そうな
花だったから!
だからきっと
大丈夫だよ!」


「ハハッ!そっかぁ。
周がそう言うなら
大丈夫だね!
元気になってると
いいね!」

「うん!」


僕はお風呂に入りながら
あの花の事を考えた。


明日…
見に行ってみよう!
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