スノードロップ
食事が終わると
部活がある子や帰る子は
それぞれ解散していった


尚人と周はこんな暑い
中でもサッカーして
くると教室を出ていった



教室に残ったのは
私と由佳莉


なんだか由佳莉と教室で
二人でいるのは初めてだ


由佳莉が扇風機の前で
座っている私の横に
ちょこんと座り込んで
私に話しかける


「ねぇ~希望はさぁ~
彼氏とかいないのぉ?」


「えっ!?いっいきなり
どうして?」


「え~だってぇ、希望から
そういう話し聞いたこと
ないからぁ~」


「あーそうだったねっ!
うん、いないよ!今までも
これからも…」


「えっ?」

不思議そうな表情で
聞き返す由佳莉


「えっあっ何でもない
よっハハッ。今まで
出来たことないかなっ!
由佳莉は?」


「あたしはいるよぉ~」


「えっ?!ウソ!初耳
だけどー!」


「うん。聞かれないと
言わないもぉん
あたしぃ」


「そっそうだったんだぁー
私の知ってる人?」


「ううん。ここには
いないよぉー」


「他校の人??」


「ううん―……」

表情が暗くなる由佳莉


―…どうしたんだろう

なんか聞かない方が
良かったのかな…



すると由佳莉が頭を
傾けて私の肩に寄り
かかる。


ずっと黙り込む由佳莉


「どうしたの?彼氏と
何かあった?
あっ言いたくなければ
言わなくていいからね」


「うーん…。私の彼氏ぃ」

私の肩に頭を傾けたまま
下を向いて言う由佳莉



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