スノードロップ
「おっおはよ…。A組も
自習?」


私の隣に立ち鏡で髪を
セットしながら言う
池上さん



「えっ?あっうん…」


気まずさのせいか変な
汗が出てくる
話す言葉も見つからない



―早くこの場所から
移動しよう―



「じゃっじゃぁー…」


そう言い扉に手を
かけた時
池上さんが私を
引き止めた



「まって…」


私は扉のノブから
手を離し
振り返って答える


「なに?」


池上さんは少し
下を向いて
何か言いたそうな表情を
している



「どっどうかした?」


私が尋ねると池上さんが
私に目を向けた。



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