スノードロップ
「本当に好きになった
から……。本当の気持ちで
周に告白したの」


「うん。」


「たくさんの人が振られて
たから答えが怖かった
けど、"ヨロシク"って周が
言ってくれた時…心の
底から嬉しかった」


「そうだよね…」


「だけど3ヶ月たった頃に
放課後クラスの女子で周との
話題で話してた時
1人の子が言った言葉を
周が聞いちゃったの」


「何を言ったの?」


「"舞は賭けで結城君と
付き合ったでしょ?"
って」


「………。」


「たしかに…きっかけは
そうだったかも
しれない…」


「だから私も"うん"って
言っちゃって…。まさか
周が聞いてたなんて
思ってなくて…」



今にも泣き出しそうに
震えた声で話す池上さん
を前にゆっくりと
話しかける。



「周に…弁解しなかっ
たの?」



「もちろんしたよ。だけど
心を閉ざすと周は本当に
冷たくなるから…。何を
言ってもダメだった…」



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