反芻
好きな気持ちでは、求める気持ちでは、負けることはないと思っていた。

でもそれは、他の奴らだって同じだったろう。

地位の向上をもくろんで抱かれるものもきっといた。

脅されたものもいた。

彼自身の気まぐれに堕とされた者もいた。

でも、それら全てが、最終的には彼の求心力に脱帽せざるをえなかったのではないだろうか?

そして、誰よりも彼を得ようと求めた。

愛した。

認められたくて、功績を残した。

競い合うようにして…殺した。
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