あなたとわたし 魔法と呪い


「…何かありますか?」

えっ!志賀…やせた…?

やつれた?


「…理数系のものにしませんか?」

「例えばお菓子とか…
料理は目分量でいけるけど…
お菓子は正しい量やスピード、条件なんかによって、上手く作れなかったりするから。

数学的だし。
焼き菓子にすれば日持ちするので、調理室が使えて、当日はわりと楽だし。経費もうくし…」

志賀の提案は突然だったけど…
やたらと皆にうけた。

女子からはお菓子作りが、男子からは経費がやすいことが。

そして皆、案外、当日にうくことが好評だったみたいだ。

「じゃあ
カフェみたいな感じでいいかな?

お菓子はクッキーやマドレーヌ、ベイクドチーズケーキみたいなもので。
前日までに作る。

生クリームやチョコソースは当日調理室で作って、教室ではトッピングだけ。

飲み物はベリー系やアセロラみたいにわりとさっぱりした頭や美容にいいもの。
ノンカフェインにこだわったりして。


メニューは一度、実行委員でおこしてみるので、意見があれば私までお願いします。


これなら、教室カフェのオッケーがでると思うし、他のクラスとも差別化できると思うから。

じゃあこれで終わりです。」


…なんとなく…
志賀にのせられた気がした。

実は全部決めてあったものを上手く丸め込む…みたいな。

……それも…平岡と決めたの?

俺と二人でいた…俺に『好きだ』と言ったこの教室で…


実行委員まで…とか言いながら、俺に手伝わせる気は全く感じさせなかった。


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