あなたとわたし 魔法と呪い
9.魔法と呪い〜Section1〜
[恵子Side]
あの文化祭の日。
『先生。
志賀…ちょっと貸して…』
『心配は皆してる。
俺も。
まぁ……遅いけど』
そう言ってくれた言葉がとってもあったかくて、うれしくて、いつのまにか…眠ってしまってた。
自販機の横の目立つ場所で、幹斗くんの肩に頭をのっけて眠る、図々しさに自分でも呆れ果てた。
まして自ら考えたサプライズ販売にクラス中を巻き込み、当の本人は寝てたなんて、恐ろしくて…誰にも口に出来なかった。
「助かりました。
ありがとうございました。」
全ての備品を返し終え、机に座りこんだ………
「終わった………………
もう立てないかも……」