あなたとわたし 魔法と呪い
[幹斗Side]
バッシャーン!
「キャーー!!」
何かが落ちた凄い音と…
女子の悲鳴に振り向いた。
「志賀ぁ!」パシャーン!
平岡が飛び込み抱えてきた女子は
…恵子だった。
瞬間、腰が抜けそうだった。
真っ青な顔、うなだれた首、力無い手足。
「全員あがれ!男子もだ」
平岡が恵子を抱えながら言う。
「恵ちゃん、恵ちゃん」
と泣き叫ぶうちのクラスの女子
「荒木!ついて来い」
と叫ぶ平岡
真っ青な顔したうちのクラスの男子
「…あれって禁断の?」
「やっぱできてた?」
こんなときでさえ、噂話をする隣のクラス
なんかさっきから身体が動かなくて…
でも…頭だけはやたらと冷静だった。
戻ってきた荒木が指示を出しはじめた。
「いいか。
平岡からの伝言だ。これは遊びじゃないんだ。
志賀は…まだわからない。
水もたくさん飲んでたし…救急車ももうくるから。
女子がやばい。過呼吸おこす奴がでるかもしれない。今…おい!!幹斗!」
「俺…保健室行ってくる…」
「無理だ。お前はお前の出来ることをしろ!!」
「まだ…分からないって何?
嫌だ。嫌だ」
「…おいっ!幹斗!!」