あなたとわたし 魔法と呪い


「…飯ちゃんと食えてて…安心した。
ちゃんと寝た?」


「心配症だね。
食べてるよ。幹斗くんいたし…いつもより美味しかった。

ちゃんと寝たよ。」


「…うちのお姫様は内緒が多いから。

俺…鈍感だし、先生みたいに気付けないし…

本当は一緒に住みたいくらい。」

優しいな。
気…使ってるのかな?


「気…使ってる?」

ちゃんと聞こうと思ったの。
そうしなきゃ逆に彼を傷つけるから。

ちゃんと言おうと思うの。
じゃなきゃまた彼を悲しませるから。

「気なんか使ってない。

でも…

恵子は壊れ物だから、そっと、大事に愛するんだ。」

………


「幹斗くん…お願いきいて欲しいな。」

また触れたくなった。


「ちゃんと呼べたら。
『幹斗』って」


「幹斗…ギュッて…して欲しい。
幹斗の…ギュッ…大好きだから。」


街灯の下…そっと抱き寄せて…ギュッてしてくれた。

なんか…弟の服とか…うちのシャンプーの臭いとか…かなり…照れる。
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