あなたとわたし 魔法と呪い
−−−
「おい!ストーカー女!」
駅のホームで、なんて失礼なことを叫ぶんだろう。
そう思って振り向いたら、
勇作くんだった。
ああ。私に言ってたのね。
「…こんにちは」
幹斗には言えないけど、凄く…苦手。
「おお。 お前この電車?
俺は一駅だけど、お前1時間だろ?
ってか俺、今から1時間かけて帰るんだけどな。
ほんっとに幹斗がうらやましい。」
初めて、笑顔で話してくれたな。
最初はすごい言われようだったのに。
「今日はデート?
なんかかわいい格好してるけど…」
「あっ。ありがと。
今日はバイト休みにしたみたいだから。」
「へー。俺いくわ。
バス乗り遅れる」
そう言って走っていった。
幹斗と付き合ってるし、少しは心開いてくれたのかな?