あなたとわたし 魔法と呪い


手も額も背中も汗でびっしょりだ。


さっきから心臓もバクバクいってる。


…向こうから歩いてきたの

恵子だ…



どうしよう。1ヶ月ぶりくらいだ。














…痩せた?


かなり痩せてる。
でも…恵子だ。




もう…彼氏出来た?

その手も、腕も、唇も俺のものだった。

全部…全部。



泣いてでも、叫んでも、「やだ」と言えばよかった。


隣に歩いてたあいつは…

いや…歩いてなんかなかったのかも。


同じ道を歩いてるつもりの俺は…いつの間にかフェードアウトして、

後ろでずっと声をかけてくれてた恵子は…いつの間に先に進んでしまった。



どっちにしろ、今は随分………遠い。

< 312 / 454 >

この作品をシェア

pagetop