あなたとわたし 魔法と呪い
17.魔法〜Section6〜
「…好きじゃないなんて気付かなかった!
いつから身体だけだった?」
身体を繋げてる時は愛されてると思ってたのに…
「いつから思ってた。そんなくだらないこと」
幹斗にとってはくだらないんだ。
「くだらない?大学入ってずっと思ってたよ。
幹斗は童貞捨てるために私と付き合ったくらいだし!
最初からいきなり付き合ってくれるなんおかしかったもんね。
私が死にかけたりしたから気にして『別れる』って言えなかったんでしょ。」
絶対に言っちゃダメだと思っていた言葉は
意外に…スルスルと出てきた。
「本気でそう思ってんの?
いい加減にしないとマジに怒るよ。」
「最初は、付き合ってやってる。付き合ってもらってる。って
それでもいいと思ってた。大好きだったし。
でも…もう無理…これ以上上手く行く気がしない。
…解放してあげる。好きじゃないのに、同情だけで付き合わなくていいんだよ。」
最後にそれだけ言って…鍵を投げた。
「さよなら!!」
簡単。終わるのなんて簡単なんだ。
ずっと、ずっと想い続けて、やっと想い合えたと思ってたら、
実は遊びと同情だった。
私は今も変わらずに幹斗が好きで、私の心は今もなお、想いが溢れ続けてるのに…