あなたとわたし 魔法と呪い
[恵子Side]
走ってトイレに駆け込んだ。
「…ふっ……」
壊れていると思った涙腺は、
幹斗に会うことで簡単に治ってた。
「甘いやつ?抹茶?」
私の好みを覚えてくれてた。ふっと高校時代に戻った気がした。
「これ…ご馳走様。」
あれ以上一緒にいると幹斗の前で涙が流れそうだった。
「俺も…一緒に行っていい?」
びっくりした。
「でも…幹斗の嫌いなラブストーリーだよ。
それに…今日は幹斗がいると困るから」
泣くんだ。って決めてきたんだ。
幹斗が横にいて、号泣なんて。
迷惑をかけてしまう。
何度か女の子と歩いているのを見た。
その度に心臓がえぐられる。