あなたとわたし 魔法と呪い
[幹斗Side]
ジュエリーショップの前で待たせて…
っつかこれ…
バレバレじゃないか?
なんか村越の真似っぽいし…
「こちらでお間違えはございませんか?」
店員に言われて…
自分でも顔が真っ赤なのが分かる。
大きいのと小さいの二つ並んだ指輪…
思ったより…照れる……
「…大丈夫です。
これはめてくんで…」
そう言って…自分の指輪を差した。
「それではこちらはご用意いたしますので…
お待ち下さい。」
待て待て。
これラッピングしてそのまま渡す?
それとも箱開けて渡す?
そこにいるのに?
「箱いらないです。
そのまま渡すんで…」
もう…顔から頭から火がでそうだ。
「それではお箱はこちらにお入れします。」
紙袋を差し出されたけど…
もう一分一秒ここにはいたくない。
もう…ヤダ
「いらないです。外させるつもりもないので。」
そう言って店から出た。